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人間・植物関係学会について

人間・植物関係学会設立のねらい

健康、環境、教育、文化、産業の有機的ネットワークの構築をめざして

 21世紀は植物の世紀ともいわれています。人口爆発にともなう食糧危機、地球温暖化による環境の変化が懸念され、人類の存亡にかかわる問題として、これらに対する植物の重要性が認識されるようになってきたからです。しかしながら、私たち人間に対する植物の役割は、このような物理的/身体的側面からの貢献だけではありません。精神的な面からも、人間の成長、健康、さらに、文明の発展などに大きくかかわってきました。
 人間と植物とのかかわりはきわめて日常的であるがゆえに、空気の存在と同じように当たり前のこととしてとらえられ、植物と人間がどのようにかかわり、それがどのように私たちの暮らしに貢献してきたかすらも、考慮されてこなかったきらいがあることは否定できません。この傾向はとくに精神的な側面で顕著でした。このことは、たとえば、ガーデニングがファッション化され、それが本来もっている癒しや人間性の涵養などが忘れられがちであったことにもあらわれています。
 いずれにしても、私たちは植物とのかかわりの実態とそこからもたらされるさまざまな恩恵を無意識のうちに享受しながらも等閑視してきたのです。
 ところが、20世紀後半になって、顕在化した環境汚染やそれにともなう自然の喪失などは、とくに都市内における植物の存在の重要性をアピールすることになりました。食べ物の汚染は身体の健康への関心を高めました。そして今、 21世紀を目前にして人口爆発、環境汚染、地球温暖化は全地球的課題としてクローズアップされています。
 こうした背景から、先述の食糧危機、地球温暖化の防止に果たしうる植物の役割に焦点があてられ、環境に配慮した持続的農業の展開、森林の造成と保護などが話題となってきました。
 いっぽう、心の健康に対する植物とのかかわりの大切さはすでにエジプト時代から知られていましたが、第二次世界大戦後ににわかに注目を浴び、都市における景観設計に取り入れられたほか、環境心理学などの新しい学問分野や園芸療法などの学際分野を生み出しました。また、教育の場にあっては、環境教育、総合学習の媒体しての有効性が話題になっているだけでなく、豊かな人間性を涵養し、疲弊あるいは荒廃した人間性を回復する植物の役割が脚光を浴び始めています。
 このような人間と植物とのかかわりとそれがもたらす身体的・精神的影響に関する研究は、これまでの既存の学問分野が単独で遂行できるものではありませんし、それらの成果を応用して人間の幸福を目指しながら植物との共生をはかるにはさまざまな分野の人々の協力が必要となります。
 本学会は、人間と植物との関係というキーワードのもとに、介護、福祉、医療、園芸、造園、社会教育、学校教育、都市計画、環境設計、生活科学、健康科学、植物と文化、建築学、地域開発などの、人間に直接関係する分野における研究成果を収集、統合、分析し、生活の質の向上、教育・文化の発展、快適環境の創造に向けて、会員がお互いに協力し、かつ刺激しあいながら、新しい分野を創造・開拓し、発展させ、いっぽうでは、その成果を人間生活に活用することを目指す「るつぼ」として機能させることをねらいとしています。

2019~2020年度 人間・植物関係学会役員

会長(理事長)
高江洲 義英(医療法人和泉会いずみ病院理事長)

副会長(副理事長)
山根 健治(宇都宮大学農学部教授)

理事(アルファベット順)
浅野 房世(東京農業大学農学部教授)
札埜 高志(兵庫県立大学大学院緑環境景観マネジメント研究科講師)
位田 晴久(宮崎大学名誉教授)
板井 修一(筑紫女学園大学大学院人間科学研究科教授)
神田 啓臣(秋田県立大学生物資源科学部准教授)
小浦 誠吾(西九州大学リハビリテーション学部教授)
松尾 英輔(九州大学名誉教授)
松嶋 賢一(東京農業大学農学部准教授)
御手洗 洋蔵(東京農業大学農学部助教)
岡田 準人(大阪産業大学デザイン工学部講師)
平   智(山形大学農学部教授)
土橋  豊(東京農業大学農学部教授)
綱島 洋之(大阪市立大学都市研究プラザ特任講師)
山岸 主門(元 島根大学生物資源科学部准教授)
山本 俊光(甲子園短期大学専任講師)
若野 貴司(公益財団法人 そらぷちキッズキャンプ プログラムディレクター)

監査
野間  豊(千葉大学 名誉教授)
田崎 史江(大阪河崎リハビリテーション大学助教)

編集委員長
神田 啓臣(秋田県立大学生物資源科学部准教授)